2020年は、まさしく“コロナ一色”の年となりつつあります。
都心における経済状況の変化は目まぐるしく、これに引きずられるようにして日本全国の「人とお金の流れ」は方向性を変えつつあるように思えます。
塗装業界においても、「アフターコロナ」「ウィズコロナ」の社会対応に沿って変化が求められてくるかもしれません。
このような状況下において、営業力と経営力に富む塗装屋とはどのようなものであるのか、考察してみました。
非対面の営業力
コロナ禍において営業形態が大きく打撃を受けた分野といえば、やはり「戸別訪問」でしょう。
「ピンポン営業」とも呼ばれる、営業マンが飛び込みでインターホンを鳴らし、施主またはその家族と玄関口で面と向かって会話する手法は、まだしばらく実施するのが難しいと言わざるを得ません。
それ故にチラシやウェブサイトの力が見直されているとはいえ、コロナ禍以前と比べて、消費者の反応がチラシやウェブサイトで変化しているとは言い難く感じます。それらの媒体は塗装需要においては業者と施主の「最初の接点」に過ぎないことに変わりはないからです。
ポイントとなるのは、チラシやウェブサイトで注目してもらいつつも、施主側へのフォロー営業をどのようにしていくのかということです。
塗装の意義とメリットをしっかり伝える
住宅塗装の三大目的は「美観」「保護」「機能」と言われており、その目的はコロナ禍以降も同様です。
しかし、コロナ対策という観点から、住環境の見直し、並びにリフォームや建て替え時に間取りへの考え方に変化が生じていることなど、施主側の意識はこれまでとは違ったところに向き始めています。
とりわけ、「機能」面においては屋内の感染症対策という分野で、塗装屋には新たなチャンスも生まれつつあります。光触媒塗料などによるウイルス不活性化効果への期待です。
これからは、「美観」と「保護」という観点では説明だけでなく、「機能」についてもしっかりと勉強して、施主が抱くであろう様々な疑問・質問に答えられるようになるよう、「塗装屋としての専門性」で力を持つ業者が生き残っていくと思われます。
地元の営業を強化
コロナ禍の特徴の一つは、「県外への移動を自粛する」という経済活動の縮小です。これは言い換えれば、昔の文化に戻って地元の顧客を大切に、地元地域への社会貢献を重視する時でもあるということ。
「近くに顧客が居ないので地元以外で」という集客ではなく、地域密着でご近所付き合いから近隣への関わりをしっかりと確立させていくことも必要でしょう。
もちろんコロナ対策も忘れずに
事業者として新型コロナ対策感染拡大防止のために行政や保健所の指導・指示に従っているということを適切に地域市民に知らせるとともに、「病気の蔓延に対する国民の見方」「対策に対する真剣さ」「自粛に伴う弊害や変化への応対」など、市民の思いにもしっかりと気持ちを向けた営業というのが大切です。
(参考:新型コロナウイルス対策「塗装屋編」)
一部の方たちは「コロナなんて大丈夫」という見方を示してきたかもしれません。しかし、高齢者や子供たちがいる家庭では、コロナ禍による不安と動揺に悩まされています。
塗装の技術の云々の前に、地域市民として模範的かつ信頼のおける活動をしているということが、これから数年間の営業に大きく影響することでしょう。
コロナ禍の社会動向に対抗しようとはしない
現在、ワクチンの開発や医療機関への投資が世界中で進められています。どんな職種の人でも、「自分に何ができるか」ということを考えさせられる時代となりました。
消費行動は低迷していきます。
地域のお祭りなどのイベントは至る所で中止になっています。
家から出られない高齢者は、コロナ禍でますます孤立していきます。
一方で、多くの方が自宅で過ごす機会が増えています。
塗装屋として、「自宅での過ごし方を見直そう。外観も見直そう」と述べることもできます。さらには、「家にいることが多いからこそ、この機会に外壁を調べよう」という呼びかけができるかもしれません。
そう、対抗するのではなく、対応するのです。
コロナ禍を経ても生き残れる塗装業者とは
- 地元営業を重視する
- 地域市民が抱く不安を受け止める
- 行政に従って感染拡大防止策をしっかり履行する
- 地域社会に貢献する意欲を持つ
- 自宅のメンテナンスに目を向けるよう促す
といったポイントにしっかりとポリシーを持って行動する事業者です。
社会がライフスタイルを見直している今、塗装屋も営業において多くの見直しをするのは良いことです。