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住宅の塗装(塗膜)は人体の皮膚のよう
皮膚が人体を外部の刺激から守るように、住宅塗装における塗膜は外気の塵・埃・湿気などから住宅本体を守る役割を担っています。
塗装が家を守るには、仕上がりムラ無く均一性があり、複数回塗って厚めにしっかりと仕上げることが重要です。

キチンとした「上塗り」のポイント
最表面に塗る作業は「上塗り」と呼ばれ、これをさらに確実にするために事前に一度塗っておく作業を「中塗り」と呼んでいます。こうして厚めの塗膜が完了します。
- 表面の塗料(上塗り)が均一でムラがないこと
- 複数回塗りで厚みを出しひび割れや欠けを生じさせないこと
均一で美しく仕上げるために重要な「下塗り」

メインの塗料で最終的な上塗りをする際、塗料の密着性を良くするために塗装面を整える必要があります。住宅に用いられている壁材や木材は表面がザラザラしていたり吸水性があったりするので、塗料がしっかりと密着しないからです。
そこで「塗装面を整える」ために以下の材料を用いて「下塗り」を行います。
- シーラー:塗料を吸い込みやすい下地に塗って吸い込みを止めます。アクなどがしみ出てくる下地の場合にもしみ出しを抑えて、塗膜と下地の接着を向上させます。下地の性質によっては、塗膜の腐食を抑える目的も果たします。
- プライマー:接着性を高さび止めをする、などの目的によって選択し最初に塗るものです。上に塗る塗料によっては、専用のプライマーがメーカーから発売されています。シーラーはプライマーの一種と言えます。
しかし、もし下地に凹凸や不陸、ひび割れなどがあると、このプライマーをキチンと塗ることができません。

下地補修で塗工面の凹凸をなくす

塗装を行う際の下処理として……
- ヒビ割れシーリング充填
- 剥がれた塗料除去
- サビ止め塗布
などを実施して、塗料を塗るために密着性の高い状態を作ります。素材や状態により工程は変わります。
下地補修の作業例
フィラー(下地の不陸・凹凸を平滑にしたり、ひび割れを補修してフラットな状態を作るための下地剤)を用いて補修する、以下のような作業が必要になります。
- サイディング:ひび割れはエポキシパテ補修、目地はシーリング打ち替えなど
- モルタル壁面:ひび割れはシーリング充填、欠損には樹脂モルタル補修など
- 窓枠などのサッシ周り:劣化している場合にはシーリングを増し打ち。激しい劣化の場合はシーリング打ち替えなど。
- 鉄部:サビた部分にケレン(サビ落とし、旧塗膜の除去)など
しかし、塵や埃、汚れが表面に付着していたり、ひび割れや溝などの欠損部分に砂や土が詰まっていたりすると、下地剤など何を塗っても剥がれてしまいます。
施工前の水洗いは基本中の基本

高圧水を噴射して、壁面にある様々な汚れを落としていきます。屋根の汚れも上から下へと落としていきます。
この際に水や汚れが周辺に飛び散らないために、足場に飛散防止ネット、メッシュシート、ビニールなどでバリアーを張ります。