数々の塗装屋に見積もりを出してもらう際、最低限の知識として知っておかなければならないポイントに「塗料の種類とランク」の考え方があります。
複数の見積もりからどんな内容を確認すべきなのか、どのようにそれぞれ異なるのか、という話については、以前に「複数業者の見積もりを取って何を見る?」という記事でも論じました。
その中で「材料の違い」について軽く触れましたが、そんなにコストが大きく変わるほど、塗料には種類とランクがあるのでしょうか。
「10年に一度は塗り替えましょう」と言われる理由
実は、塗料には「耐用年数」というのがあります。
簡単に言えば、塗装した後、何年ぐらい良い状態を保てるかということです。
多くの施工現場で採用されている主流となっている塗料は、「シリコン系」のもので、耐用年数は約13年。値段も他と比較してリーズナブルで、高い部類と安い部類のちょうど中間ぐらいに位置しています。
材料コストを変えるということは、耐用年数が変わる、と考えるとわかりやすいでしょう。
安価な塗料の例
では、安い塗料にはどんなものがあるでしょうか。
主には、アクリル系塗料(耐用年数約4年)、ウレタン系塗料(耐用年数約6年)などがあります。
アクリル系塗料はツヤがあって鮮やかとか、色の種類が豊富であるとか、メリットも多く、過去には主流だったものです。ウレタン系塗料は、木材などにも塗れるといった、使いやすさの特徴があります。
高い塗料が人気の理由
一方、高い塗料には、フッ素系塗料、断熱塗料、光触媒塗料など、様々なものがあります。
フッ素系塗料は耐久性、親水性、防水性などに優れ、家をより良い状態に保ちたい、そのためにコストを掛けるという施主には人気です。
断熱塗料はその名の通り断熱性能に優れており、使い方によっては冷暖房光熱費を年間トータルで削減できるようなものもあって、長期的観点から近年のヒット商品になっています。
光触媒塗料は屋内の空気質にも影響するだけでなく、外壁を汚れにくくするなど、家全体のメンテナンスとしても住みやすさという観点でも注目です。
値段の違いは「塗装」に求める性能の違い
塗料の値段が異なるということは、性能にその違いが表れていると考えて良いでしょう。
複数社の見積もりを比較して、単にどこが安いかということではなく、きちんと塗料のランクや性能について理解しておくことはとても重要です。
「安いから悪い」とか「高いから満足」ということではなく、使い方と目的に応じて材料を選ぶということです。
もちろん、経済状況や家の寿命との兼ね合いなど、トータルバランスを重視して考えることも重要です。