空調がない倉庫や工場における熱中症対策は、とても難しいと言われています。
こまめに休息と取り水分を補給することはもちろんですが、作業場の温度をどのように下げることができるかというのは、どんな現場でも大きな課題。
千葉県のある工場でも、同様の悩みがありましたが、雨漏り対策を兼ねて工場内の環境改善のために屋根に機能性塗料「キルコ」を塗布されたことで、効果を得ることができたというデータを入手できました。
2010年1月に折板屋根にキルコ遮断熱塗装(クールグレー色)を塗装。これによって雨漏りもなくなりましたが、注目したいのは塗装箇所の屋根の温度です。
塗装箇所の表面温度は49℃を記録した日、未塗装箇所の屋根を測定したら表面温度は70℃。その差はなんと21℃も!
同様にして、屋根裏の温度を即測定したところ、塗装箇所は38℃だったことに対して、未塗装箇所の屋根裏温度は62℃と、その差は24℃を記録。
これに伴って、室内の平均温度も2℃ほど緩和され、これが体感にも大きく影響し、その後の二年間に別棟のリピート施工、および事務所等への採用なども決まったようです。
塗装作業で室内温度が下がるというのは、新たな空調を導入して物理的に変化が生じてしまうことを避けたい現場にとっては大変有用な手段です。
もっと多くの建物にも採用していただきたいですね。