職人

塗装屋トラブルが無くならない理由

これだけ「コンプライアンス」云々という議論がなされ、ユーザーの意識の高まりとともに事業者側の対応も向上しているにもかかわらず、いまだに無くならない塗装業者トラブル。

そもそも、なぜ後悔に繋がるような契約がなされてしまうのでしょうか。塗装業者トラブルは、今後も無くならないのでしょうか。

本来は「地域に一つの信用業者」だった?

今のような情報化社会になる前は、塗装は地元の地域にある業者にお願いするようなビジネスが一般的でした。

ところが、移動手段や情報発信手段の発展とともに、塗装業界も競争の方法が変わり、結果として、遠方の事業者、今まで知ることのなかった他地域の事業者との接点が増えて行きました。

結果として、「同じ地域の人間として恥ずかしい仕事はできない」という職人のプライドよりも、「如何に数多く」「如何に効率的に」「如何に営業力を高めて」という意識が業者の思いを満たすようになってしまいました。

それはつまり、職人ひとりひとりを育て、一生涯の仕事として確立させ、地域に不可欠な存在としての塗装屋の地位を築く時代の終焉となり、手を抜いた仕事が入り込みやすい環境となったということです。

手抜きであることにも気付けない職人たち

そういうわけですので、時間とお金が掛かる良質な職人よりもフットワークが軽くて若い「手頃な職人」で仕事をするようになるような状況が生まれ、経験の無さからくる未熟な仕事が入り込むようになりました。

塗装というのは、仕上がってからかなりの時間を経て初めて手抜きだったかどうかがわかるという分野ですので、施行中や施工直後に施主がそれを見抜くことは難しいものです。

残念なのは、職人の側にも「手抜きをした」という意識がない場合があるということです。「自分が持ちうる技術」をきちんと実践しているのですが、そもそもその技術がまだ未熟であるならば、それが結果として塗装業者の手抜きと受け取られるわけです。

勉強熱心な塗装業者を選べるか

塗装の仕事は、塗料が進化しなければ内容が変わらないものです。塗り方や工程はすでに確立されているので、症状に合わせて医者が薬を処方するのと同様、決まった作業を淡々とこなすだけ。

しかし、塗料の種類や性能が向上してくると、職人はそれらの塗料について仕様や使い方を学ばなければなりません。加えて、家の仕様や建材も変化していますから、対応が必要です。

すなわち、地元の商売として塗装屋を続けるのであれば、ユーザーメリットを考えて多岐に亘る提案ができるように、常に新しいものを学び続けていなければなりません。

施主側としては、良い情報はできるだけ得たいというもの。大金を使って自宅をメンテナンスするのですから、「事前に情報が得られていれば違う選択をしたのに」という後悔はしたくないものです。

長期的なお付き合いを基本とする

地域外の事業者との良い関係性は、決して結べないものではありません。しかし、競争に勝って次から次へと流れ作業のように案件を扱う「企業」としての塗装屋が担当した住宅は、その時の作業で終わり、というスタンスになりやすいものです。

地元の事業者であれば、いつでも声をかけて「ここがおかしい」「ここ、手を抜いたんじゃないの?」と気軽に文句を言える間柄になれるかもしれないのに、遠方の見知らぬ事業者に対してクレームを言うのは多少の抵抗感が生まれますから、結局「後悔」で終わって諦めてしまう人も少なくありません。

良質の仕事というのは、サービスの提供側の技術や精神だけの問題ではなく、顧客とどのように良い関係性を築けるかということも大切です。

地元に、勉強熱心で営業力のある信用できる塗装屋があると、一番良いのでしょうね。

関連記事

  1. 優秀な職人を育てる方法
  2. 塗装職人はクレームにビクビクしている?
  3. 「実績」や「経験」が重要な理由
  4. 「塗装業者」vs「塗装職人」
  5. 塗装は素人DIYでもできる…の?

アクセス

  • 520現在の記事:
PAGE TOP